晩夏の追憶2
- 2016/07/11
- 08:25
「さあ、早く。ほら、逢沢さん、パンツを下ろして」「は、はい…」逢沢早苗は返事はしたものの、戸惑っていた。「なにをぐずぐずしているんです。さっさと言われたとおりにしなさい」「先生、そんなのひどすぎます」意を決したように一人の少女が抗議した。「あら、大野さん、何がひどいんです?」「だって、…パンツを下ろすなんて…、恥ずかしくてできません」「大野さん、あなた、先生に反抗する気なの?」大磯先生が厳しい口調で...
晩夏の追憶1
- 2016/07/11
- 08:24
優子は焦っていた。ちらっと見た壁の時計は、12時19分を指していた。試験時間は、もうあと一分しかなかった。どうしても漢字が思い出せなかった。ベルが鳴った。その瞬間、優子は漢字を思い出した。あわてて、優子は答えを書こうとしたが、答案用紙は取り上げられてしまった。「もう、終わりですよ」「優子、この成績は何です」答案用紙を取り上げたのは、優子の母親だった。〈どうして?どうして、お母さんがここにいるの?〉「優...